[小さい人間と微生物シリーズ] 微生物さんが好きなもの

[小さい人間と微生物シリーズ] 微生物さんが好きなもの

あなたは発酵の海の中で、少し歩いてみます。

微生物たちは皆、

黙々と食べ続けています。

「あれ?」

よく見ると、

少し休憩しているのか、

ゆっくりとお茶を飲みながら、

糖でないものをつまんで食べている微生物がいました。

あなた:

「こんにちは。僕、人間の太郎と言います。君の名前は?」

微生物:

「やあ、こんにちは。

僕は微生物のファー。

ファーって名前のやつはいっぱいいるけどね。

人間が来るなんて初めてだ。

人間の世界はどう?

人間はいつも何をしているの?」

あなた:

「うん、そうだね・・・

ずっとは食べていない・・・かな。

微生物:

「食べていない?信じられない。

食べていないときはどうしてるの?」

あなた「え、学校に行ったり友達と遊んだり。」

微生物:

「何それ。人間て変わってるね。

食べないなんて、何してもつまらないんじゃない?。」

あなた:

「そうでもないよ。

ところで、君は何を食べているの?」

微生物:

「え?これ?タンパク質。」

あなた:

「糖は食べないの?」

微生物:

「え?僕も糖は1番好きだよ。

でも糖ばかり食べてたら、

たまには違うものを食べたくなるんだ。

タンパク質もわりとおいしいよ。」

あなた:

「へぇー、そうなんだ。じゃあ、他のものも食べられるんだ。」

微生物:

「他のものっていうか・・・。

糖以外はタンパク質ばかり食べているかな。」

あなた:

「へぇー!じゃあ残ったものはどうなるの?」

微生物:

「あぁ、大丈夫だよ!

僕たち仲間が順番に食べるからね。

例えば、このバク君(バクテリア)は食物繊維が大好きなんだ。

僕にはちょっと難しいけどね。」

あなた:

「じゃあ腐ったり傷んだりすることはないんだ?」

微生物:

「そうそう!発酵している間は僕たち有用な微生物が優勢だからね。

腐敗菌なんて入る隙間もないよ!

ところで君の一番好きな食べ物は何?」

あなた:

「僕?僕はアイスクリーム!

アイスクリームならバケツ一杯でも食べられるよ。」

微生物:

「え!じゃあ僕と一緒だ!僕は糖の中でもアイスクリームが一番好き。

ただ僕の場合、バケツ2杯以上食べる自信があるけどね。」

あなた:

「すごいね!でもそんなに食べたらお腹壊さない?」 

微生物:

「僕たちにはお腹なんてないからね。どれだけ食べても平気さ!

ところで、目の前にアイスクリームがあったら、君は食べる?」

あなた:

「もちろん食べるよ。」

微生物:

「いつ食べる?」

あなた:

「今すぐ。」

微生物:

「ほら、すぐ食べるでしょ?

じゃあ僕たち同じだ。

僕はいつも目の前にアイスクリームがあるから

いつも食べているだけなんだよ。」

あなた:

「本当だ。僕たち気が合うね。」

微生物:

「そうだね。でも君、人間の世界ではいつもアイスクリームを食べてるわけじゃないんでしょ?」 

 あなた:

「うん、そうだね。学校に行ったり友達と遊んだり・・・。」 

 微生物:

「へぇー、不思議だなぁ。

僕たちはずっと食べてるけど、それが楽しいからね。

君ももっとアイスクリームを食べればいいのに!」 

あなた:

「それは魅力的だけど…人間には限界があるんだよ(笑)。」